北海道を自慢するプロジェクト

ウニ丼 vs 海鮮丼

SPECIAL ISSUE 1WORDS & PHOTOS : Editorial Staff M

ウニ丼と海鮮丼。北海道を訪れた時に食べたいものの一つではないでしょうか。ウニ丼は海鮮丼の一種でありながら、その存在はエベレストのように他を寄せ付けない圧倒的な存在感をもった海鮮丼です。それに対して、一般的な海鮮丼は日本100名山のような存在で、多くの方々に受け入れられやすい存在。多種多様な魚貝が添えられ、苦手な魚貝が含まれていたとしても、それを補う魚貝があるので、安心感があります。

ウニは鮮度が大事!

北海道らしさと美味しさを追求したいのなら、まずウニ丼を食べたいところ。北海道内のだいたいどの都市でも食べることができます。ただし、必ず美味しいとは限りません。なぜなら、ウニ丼の場合、ウニの鮮度、時期、種類によって当たり外れが大きいことでも知られています。鮮度の見分け方は、ウニのぶつぶつが崩れていないこと。ミョウバンで鮮度を保っていることもあるのですが、ウニの産地で食べれば、その心配はないでしょう。わざわざ訪れてでも、食べる価値があります。

ウニの産地で食べるとろけるウニ

北海道でウニの産地と言えば、積丹半島と利尻島・礼文島が有名。積丹半島のウニ丼のお店として、多くの観光客が訪れる食事処みさきで、私もムラサキウニの生ウニ丼を食べた事があります。ウニは目の前の海でご主人が自ら捕ったもので、値段は2450円。正直、高いと思うのではないでしょうか。ただ、めちゃめちゃウマい!臭みも全くありません。ムラサキウニは白ウニと呼ばれ、身が白っぽく、ほんのりしたウニの甘さが繊細です。舌の上でとろりと溶ける食感がたまらない。正直食べ足りない感じでした。

ちなみに、6月~8月のエゾバフンウニの漁期間、毎日15食限定で赤バフンウニの生ウニ丼が食べられます。値段は3950円。お目目が飛び出る値段ですが、これが飛ぶように売れていきます。埼玉から来た観光客は、「滅多に来れる場所じゃないからお金は全然惜しくない。しかも、今まで食べたウニの中で一番美味しかった。食べに来たかいがあった」と語ってくれました。それを聞いて、私もエゾバフンウニを食べるべきだったと後悔したものです。

食事処みさきのムラサキウニの生ウニ丼

利尻昆布を食べて育つエゾバフンウニを食べる

そのリベンジの機会を得たのが利尻島です。利尻島は最高級昆布の利尻昆布で有名。関西の高級料亭に買い占められるので、市場にはなかなか出回らないとまで言われる逸品です。利尻昆布は、利尻産・礼文産・稚内産の産地に分けられ、この順番で品質に差が出てくるそう。その中で最高品質の昆布を食べて育つのが、利尻のウニなのです。ウニ丼を食べに訪れたのは、ミシュランガイド北海道版でビブグルマンを獲得した磯焼亭。エゾバフンウニの生ウニ丼を食べました。値段は4000円!やはり、目が飛び出ます。ただ、やっぱりウマい!生臭さもありませんしね。エゾバフンウニはオレンジ色で、濃厚な甘みが特徴。舌の上で味わうとやっぱり、食べて良かったと思いました。

この2箇所で食べたウニと大都市で食べたウニは明らかに違う味だったので、美味しいウニ丼を食べたいのであれば、産地に行けば間違いないでしょう。ただし、コストに厳しい方は味うんぬんではない部分で納得できない部分もあると思うので、恐らく食べない方がよいかもしれません。2000円〜4000円を食事で使うのはちょっとなと思われる方は、素直に食べないことをオススメします。

磯焼亭のエゾバフンウニの生ウニ丼

ウニとイクラにしみたタレ

その一方で、海鮮丼は道内各地で美味しく食べることができます。有名なところでは、函館朝市、釧路和商市場、小樽三角市場、札幌中央市場があり、都市部でも美味しくたべられるのが特徴。値段も1000円~5000円くらいと幅があります。私が食べた思い出の海鮮丼はまず、函館きくよ食堂の巴丼。ウニ、ホタテ、いくらの3種類が丼にのったもので、1680円。ウニとイクラにしみたタレの味も美味しかったですね。そして、紋別のよってけまるとみの海鮮丼。1600円。こちらは海鮮の種類がバラエティに富んでいるので、色々な味わいを楽しめるというもの。思い出してもヨダレがでてきます。相対的に、海鮮丼はウニ丼の値段と比べるとリーズナブルに感じてしまうんですよね。

函館の朝市

小樽の三角市場

紋別のよってけまるとみの海鮮丼

家族にも食べさせたい

こうやって食べてみて、道外の人の話や道内の人の話を聞いてみて、総括すると北海道になかなか行けない人は品質重視で、産地でウニ丼を食べるべき。美味しさに感動することができたら、それが一生の思い出になります。以前、知床ウトロのウトロ漁協婦人部で食事をしていたところ、隣の席の関西から来たお客さんが言うには、前年に一人でこちらのウニ丼を食べた時に、この美味しさを自分一人で味わうのは忍びないと、今年お母さんと娘さんを連れてきたとか。そして、うまい、うまいと皆さんで食べていました。

一方、北海道内の人は、いつでもウニ丼を食べるチャンスがあるので、別にあせる必要はありません。お金に余裕のある時、シチュエーション、そして、とれたのウニが美味しい時期に食べるべきでしょう。逆に言うと、普段は海鮮丼で十分。普通にスーパーで売られている刺身ですら、安くて美味しいものがあるので、自分で海鮮丼を作っちゃうのも良いでしょう。恐らく驚異的なコストパフォーマンスを発揮するハズです。

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